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僕と大家さんとの間にある大きくもささいな誤解

このところ、忙しくてまた生活が乱れている。そして、こういう風に明け方になってアパートへ帰宅すると、たまに隣に住む大家さんと鉢合わせすることがある。大家さんはだいぶ歳のいった(90歳くらいだろうか?)おばあちゃんで、朝がとても早い。そして、まさか僕が今帰宅したなどとは、全く思いもしないようなのだ。

大抵、僕が大家さんのうちの前にある駐輪場に自転車を停めていると、ぎぃといって目の前の玄関の扉が開く。大家さんは半身を上げ、僕と目が合う。

「あー・・ら、まぁ・・・。 はやいの・・・ねぇ・・。さいきん は、もう 暗いから。  ねぇ。 おは・・ よう・・ ・」

と、大家さんはものすごくゆっくりしゃべる。

「いえ、早いのでなく、遅いんですよ。今帰ってきたんです。あはは。」

などと僕が説明しても、大家さんはまだしゃべりの途中で全然聞こえていない。
そのまま続けて、

「き をつけて 、 いってらっしゃい ねぇー・・・」

と、これから階段を上って帰宅しようとする僕に、とどめの一言をくれるのだ。
そうなると、もう一度自転車に乗って出かける振りでもしないといけない気持ちになる。
今日はなんとか、暗がりにまぎれて家に戻れたが。
この誤解はいつか解けるのだろうか。


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